2ndアルバム発表後にリリースしたシングル“Yeah Yeah”がUKチャートのトップに立ったのが65年1月ですが、この年はシングルとEPのリリースのみで、ジョージィはもっぱらライブ活動にいそしんでいました。このサードアルバムは翌66年5月に発表されており、“Fame At Last!”と“Yeah Yeah”のヒットからは少し間隔が空いたことになります。
音楽性は前作“Fame At Last!”をおおむね踏襲していますが、前作がジャズの比重が高かったのに対し、こちらは［1］［7］［8］のモータウンや［2］［10］［12］のアトランティック／スタックスといったカバーの選曲にも表れているように、R&B〜ソウルに軸足を置いたエネルギッシュなテイストが前面に出ています。この微妙なニュアンスの変化は、おそらくは前年のモータウンレビューへの参加も刺激になっていたのではないでしょうか。特にAretha Franklinの名唱でも知られる［2］（Don Coveyのカバー）やLee Dorseyのニューオリンズクラシック［3］、Rufas Thomasの［10］、Mar-Keysのダンスノベルティ［12］といった曲がもつ初々しいファンキーさは、このアルバムでしか耳にできない聴きどころとなっています。また同時に、中盤のスロー［4］［5］には次作“Sound Venture”への萌芽が見え隠れしていたともいえるでしょう。【K】 |
